絶望したときこそ美術館

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タイトルの通り、絶望したときこそ美術館に行くべきだなと最近よく思う。

元気なときは作品たちの波動みたいなもので逆に気圧されてぐったりしてしまうことが多いけれど、絶望しているときに美術館へ行くと元気になって帰ることが多い。むしろ吹っ切れたが近いのか。

 

京都の大学を卒業してからバイトを2つ掛け持ちしながら大阪にいた時期があった。朝から夕方までとあるところで働き、夕方から深夜までまた別のところで働いていた。夜の仕事があまりにしんどいのにも関わらずやめる勇気がなく悩んでいたが、休みの日にふと神戸の横尾忠則現代美術館に行こうと思い立った。

平日のへんな時間に行ったこともあり、客は私と2人の男性だけだった。そして何気なく壁に飾られていた派手な配色のマンダラのような作品をみた瞬間、脳を直に揺さぶられたような、そのマンダラの世界に入ってしまったような不思議な感覚になった。作品と目が合ったというか、たしか横尾忠則の本に書いてあったと思うが、「同じ原風景をもつ人同士が惹かれ合う」ような、まさに「チャンネルが合った」ような感覚がした。

そして同時に「夜の仕事をやめよう」と何かが吹っ切れて、数日後にやめた。

 

悩んでいて答えが出ないとき、絶望しているときほど美術館でトリップできるような作品や、人生にヒントをくれる作品に出会う気がする。なかなか絶望の最中に「美術館に行こう」とは思えないものだが、頭のすみに置いておくのも悪くないと思う。